マンションは建設から徐々に経年劣化していきます。そのため、一定期間ごとに大規模な改修工事して、 その劣化の進行の抑制を図ることが、マンションの資産価値を維持するためには重要です。 一般的には12年ごとに大規模修繕工事を実施することが理想であるとされています。
管理組合にとっては、マンションを建設した建設会社や、管理業務を委託している管理会社に丸投げするのが一番楽ですが、住民にとって必要な工事が抜け落ちたり、必要以上に費用がかかってしまうケースもでてきてしまいます。限られた予算の中で最適な工事を実施するためには、管理組合主導で工事を実施することが重要です。このため、多くのマンションでは、理事会とは別に、大規模修繕委員会を立ち上げて、大規模修繕工事に特化した組織で検討を行うことが一般的となっています。
ただ、この場合も修繕委員の負担は大きくなりますので、この分野に特化した建築士などのコンサルタントを雇うことも一般的です。コンサルタントに費用を支払っても、工事全体を最適化することで、トータルで考えれば、工事費用の削減につながるからです。 ただ、そうは言っても、裏で建設会社とつながっている悪質なコンサルタントもいるため、コンサルタント選びは、その実績や人柄も考慮して、慎重に行う必要があります。
次に重要になるのが、工事施工会社の選定です。工事会社の選定については、見積り金額はもちろんですが、これまでの工事実績や財務の健全性、現場責任者の人柄や、コンサルタントとの相性なども総合的に勘案して決定をする必要があります。きちんとしたコンサルタントと工事施工会社を決めることができれば、その段階で、大規模修繕工事は8割がた、成功したと言っても過言ではないでしょう。