マンション管理会社は、利益を追求する営利企業です。当たり前のことですが、まずこの点をしっかり認識しなければなりません。
マンション管理には面倒なことが多く、専門的な知識が必要なため、通常、管理組合は管理会社と委託契約を結んで、そのサポートをお願いします。契約内容はマンションごと、管理会社ごとに違いはありますが、国土交通省からモデルとして「標準管理委託契約書」が示されており、多くはこのモデルに準拠したものになっています。
そして、管理会社はその契約内容に従って、マンションの管理業務を行い、管理組合はその対価として契約した管理費を支払います。まず、ここで少し注意すべきことは、契約書には管理にかかる費用が月額表示されている場合が多いということです。定期清掃や各種の設備点検は毎月実施する訳ではありませんが、すべてを月額料金に換算して提示していることがあります。こうした場合は、それらの料金は1回当りでは実質いくらなのか、そしてその金額は本当に妥当なものなのかをきちんと確認し直す必要があります。
また、管理会社によっては、定額の管理費以外でも、管理会社の都合で管理にかかった費用をすべて請求できるというような条項を加えた契約書を提示してくるところがあります。自分たちのマンションの契約書は「標準管理委託契約書」と比べてどの部分がどう異なるのかを確認しておくべきですし、問題があれば管理会社に対して修正を要求するべきです。
これらのことがきちんとできていないマンションは、結果的に日々の管理に余計なコストをかけることとなり、将来の修繕のための積立に資金をまわす余裕がなくなることになりがちです。