輪番制と役員報酬

役員を輪番制で決めているマンションの管理組合は多いと思います。いきなり順番で理事になっても何をしてよいかも分からず、結局は管理会社から言われるがままに業務をこなして任期が終了するのを待つという理事の方も多いでしょう。

しかし、こうした理事会が続いていると、結果として住民主体のマンション管理は実現できず、当面の日常管理はなんとか成り立っていても、長期的な視点で考えなければならない大規模修繕工事の時などにそれまでの問題が顕在化します。

管理会社や理事の人たちがうまくやってくれているはずという希望的観測のもとに、面倒な事には関わりたくないというのが人情ではあります。しかし、そうした他人任せの姿勢は、せっかく手に入れたはずのマンションの資産価値を大きく損なう結果につながります。

理事長をはじめとする役員の職務には大きな責任が伴います。本来は輪番制を早期に見直し、やる気のある住民には役員報酬を支払ってでも管理体制を整えるべきです。しかし、管理がきちんとできていないマンションの管理組合ほど、報酬支払いのような支出を嫌がる傾向があるのもまた現実です。