マンション管理の主役は管理組合です。シンプルな原則です。しかし、実際にはこの当たり前の原則が十分に理解されておらず、問題を抱えている(あるいは問題があることにも気づいていない)マンションが数多く存在します。
マンション管理の問題は、大規模修繕工事の際などに顕在化します。問題のあるマンションでは修繕積立金が不足している場合が多く、十分な更新工事ができずにマンションの老朽化が加速度的に進むことになるからです。
マンションは多くの人にとっては重要な資産であり、購入の際には十分に比較検討をするはずですが、重要な資産の割に、その保全にはあまり意識が向けられていません。
管理組合の役員などという面倒な仕事は引き受けたくないというのが心情でしょう。運悪く引き受けても、契約している管理会社からの指示通りに業務をこなして、早く任期を終えたいと考えがちです。
しかしながら、管理会社は営利企業であって、ボランティアをしている訳ではありません。管理組合と利害が対立する場合もあります(実際、多くの利益相反がおきます)。管理組合は管理会社の仕事をチェックする必要がありますが、そのためには管理会社に対抗するだけの情報や知識を身に着けることも必要になります。